第59回 日本癌学界総会

期日:2000年10月4日〜6日
会場:Pacific Yokohama Hotel
発表形式:ポスター発表 P16-2化学予防物質
演題名:「舞茸乾燥粉末及び抽出成分によるAOMラット大腸発癌抑制と活性酸素消去能」
発表者:田澤賢治、大上英夫、並川宏英、老田尚子、八塚美樹、安田智美、小林裕子、梶原睦子、斎藤智裕、塚田一博、渡辺雅孝(富山医科薬科大学医学部・株式会社雪国まいたけ)

妙録本文(英文和訳)

 舞茸による、AOMラット大腸発癌の抑制効果と、発癌抑制作用を解析するためフリーラジカルの抑制効果について調べた。

 舞茸粉末を20%含む餌を投与した場合、通常の餌やMD-フラクションを5%含む餌を投与した場合に比べ、AOMラット大腸発癌は著しく減少した。

舞茸粉末(20%) 0.3個/ラット 発生率=3/12=25%
MD-フラクション(5%) 1.9個/ラット 発生率=11/12=92%
通常の餌 3.4個/ラット 発生率=13/13=100%

 活性酸素消去能については、MD-フラクション、子実体粉末、熱水抽出物について、ESR装置を使いそれぞれについて、0.2、2.0、20(mg/ml)の試薬濃度で測定した。

 その結果、MD-フラクションは、ヒポキサンチンーキサンチン オキシターゼ(XOD)とフェントン(Fenton)反応においても最も高い活性酸素消速度を示した。

 舞茸の活性酸素消去能の(強さ)は次のような順番になる。
スーパーオキサイドアニオンラジカル:MD-フラクション>熱水抽出物>舞茸粉末
ハイドロキシラジカル:MD-フラクション>舞茸粉末>熱水抽出物

 これらの結果は、舞茸が抗腫瘍作用を持つこと、そして優れた活性酸素消去能を持つことを示している。

 解説

 AOM=アゾキシメンタン(発癌物質)

従来、舞茸の発癌抑制効果について動物実験で調べた研究では、実験期間が1〜2週間程度の短期間で行われたものが多い。この場合、発癌抑制のメカニズムを推察する上で曖昧な点が残ると言う。今回、30週間の長期にわたり舞茸を連続投与し、血液や尿の成分を対比しながら調べた結果、発癌抑制効果と活性酸素消去能との関係が裏付けられた点に意義がある。



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