新しい医療文化の創造

2000.11

Doctor's Attention

ドクターズアテンション

Doctor's Interview ドクターズインタビュー
本誌、2000年9月号でも取り上げた代替療法。西洋医学のアンチテーゼとして長く医療現場から排除されつづけてきたこの、”非科学的”療法が近年、見直され始めてるということについては前出の内科部長・小牟田清氏に、日本の医療現場における代替療法、特に健康食品についてお話を伺った。
<日本の医療現場における”代替療法”>
すでに多くの患者さんが「西洋医学以外の医療」を求めている。
だから今、医師が正確な情報を持つことが必要。

小牟田さん<大阪警察病院>

Q
欧米諸国に比べて日本の医師は、あまり代替療法に対して積極的では内容に思うのですが。

小牟田
確かに代替療法に対して積極的ではないかもしれません。しかし一方で、科学療法を受ける多くの入院患者のベッドサイドには、一般的に健康食品と呼ばれている類の物が置かれています。本来なら、医師はこの現状を踏まえ、代替療法についても患者に適切なアドバイスが出来る様、十分な知識を持つことが、今の医療現場には求められているのではないでしょうか。

Q
どうして多くの医師は積極的に代替療法を臨床的に活用しないのでしょうか。

小牟田
代替療法というのは「西洋医学以外の医療」と定義されています。患者に焦点をあて、自身に備わっている自然治癒力や自己回復力を覚醒させることで、心身のバランスを整えて免疫力を強化することを目的としています。その理論的根拠はほとんどが経験主義なものによって裏打ちされたもので、動物実験などの基礎実験も行われていなければ、もちろんヒトの臨床実験もなされていません。
私たち臨床家が積極的に代替療法を進めていくのはこの点にあります。逆に欧米諸国の積極的な姿勢は、臨床実験が速やかに行われ、それによって有効性が検討された結果が出つつあることによると思われます。

Q
健康食品に関する情報は一般にあふれ返っているのに、医師からの適切なアドバイスがもらえないという現状は、医療現場に混乱をもたらすのでは。

小牟田
同様の成分が含まれている健康食品を何種類も服用されている方や、一部の悪質な業者から法外な金額で粗悪なものを購入させられている方、あくまでも健康を補助する”食品”であるにもかかわらず「抗がん剤」のような期待をしている方など、利用方法を間違っている患者さんはたくさんいらっしゃいます。
私たち医師がきちんと説明し、相談にも乗るという姿勢を示さない限り医師と患者の意識のズレは大きくなるばかりか、治療に悪い影響をもたらすことさえあるのです。ですから私は、患者さんに対して出来る限り情報を公開し、治療に対しても疑問点は何でもどんどん質問してもらうようにお話しています。

Q
実際に代替療法に関する臨床データをお持ちだと伺いましたが。

小牟田
私たちの病院でガン患者に投与しているマイタケD-フラクションのデータです。マイタケD-フラクションの作用のメカニズムについては動物実験で解析されています。代替療法と西洋医学の中間に位置していると言えるかも知れません。下記の表以外にもガンの患者さんにおいて、マイタケD-フラクション投与前と投与後でリンパ球、特にヘルパーT細胞の増加とNK細胞活性の増強が認められています。
このことからも、マイタケD-フラクションには生体の免疫機能を高める作用が示されています。決して間違ってはならないのはあくまでも、西洋療法と併用して使用する補助的なものであり、術後のケアや健康維持を目的とする「健康食品」であるということです。ましてや、ガン患者のみを対象とするものではありません。
 万人にまったく同じ効果をもたらすものではありませんが、健康を補助するものとしては有効であり、糖尿病や高血圧などの成人病患者、免疫力の衰えた高齢者に対して、その健康を維持する上で意味あるものだと考えております。
 超高齢化社会を迎え、成人病もこれからますます増えるでしょう。患者と対話し、患者の求める治療方法について適切なアドバイスや対応が出来る臨床家こそが21世紀の医療現場には必要なのではないでしょうか。

<取材・文責 編集部>

62歳・男性
<肺がん手術(左肺全摘)後の患者>

74歳・男性
<切除不能両側腎腫瘍で透析中の患者>
 マイタケD-フラクション投与前後で
NK活性(18%〜40%)を測定。

投与前:
 1999/08/05 29%
投与後:
 1999/09/17 44%
 1999/10/22 49%
 2000/03/29 45%
 2000/07/12 54%

投与後約1ヶ月で上昇が認められ以降、
高値が続いている。
 マイタケD-フラクション投与前後で
NK活性(18%〜40%)を測定。

投与前:
 1999/06/15 23%
投与後:
 1999/07/14 78%
 1999/11/16 46%
 2000/02/10 51%
 2000/04/14 43%

投与前は23%とその低下が認められたが、投与後約1ヶ月で高値が認められた。以降、正常値以上の高値が続いており、ガン関連症状(疼痛・食欲不振・全身倦怠感)の改善も認められた。

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