毎日新聞大阪本社ビルB1Fオーバルホールで

クローズアップされる代替療法

 がん治療の第4の療法の一つとして関心の高まっているのが免疫療法。
人間が持っている自然治癒力を高める免疫療法に注目し、代替医療としての機能性補助食品の研究を行っている免疫機能賦活研究会が主催する第6回免研学術セミナー「マイタケ健康フォーラム」(後援・毎日新聞大阪本社広告局、協賛・健美舎、田辺製薬商事、日本デイリーヘルス、ベルダ、雪国まいたけ、ラボナ)が5月15日、大阪・北区の毎日新聞オーバルホールで開催されました。

 代替療法、免疫療法への関心の高さを反映して、セミナーには約500人が参加。免疫機能賦活研究会事務局の山本英夫氏の主催の挨拶のあと、テレビでお馴染みのヘルスサイエンスドクターで健康科学研究所所長、久郷晴彦氏、マイタケ研究の第一人者で神戸薬科大学教授、難波宏彰氏、大阪警察病院内科副部長、小牟田清氏が講演、続いて、司会の女優、桐生ゆう子さんも加わり、毎日新聞大阪本社編集部長・福永勝也氏がコーディネーターとなってディスカッションが行われました。最後には具体例を巡って、パネリストと参加者による質疑応答も展開され、熱のこもったやり取りに耳を傾けました。

がん治療 「免疫療法」に注目

代替医療の現状・・・久郷晴彦氏

 代替医療は、西洋医学に足りないところを補うという意味で使われ始めました。西洋医学には優しさが足りない、副作用のある薬が多い、医療費が高い、こういった不満を感じる人が、増えてきています。

 病人が増えた原因には、食事、ストレス、運動不足、環境汚染の4つです。50年前の日本人は1日に3万5千歩も歩いて食事も日本的なものが多かったのに、今は脂肪の多い食事をして、3500歩しか歩きません。

 現在、世界の人口約60億人のうち3割しか現代医学を使っていません。といって、現代医学はダメ、代替医療の時代というのじゃいけないんです。両方をうまく使うことが国民の幸せになると思います。

西洋医学中心から併用へ

 98年に日本でも2つの代替医療学界ができて、少しずつ変わりつつあります。アメリカでは栄養補助食品健康教育法アクセス法というのが出来て、急ピッチで変わっています。英国などヨーロッパもそうです。世界の医学は、西洋医学中心から、代替医療を含め、より国民の満足する医学に向かおうとしています。厚生省の考え方も「これからは病気にならないよう、健康管理や第1次予防にも力をつくしましょう」という時代になったのです。

免疫力を高め抑制効果に期待

マイタケMD-フラクションの開発・・・難波宏彰

 私の研究は、マイタケというキノコが本当にがんに効果があるのかという、単純な疑問からスタートしました。マイタケは、15年程前までは、自生のものしかなかったのが、人工栽培に成功して、いつでも欲しいときに欲しいものが得られるようになり、実験が可能になったのです。

 がん細胞をやっつける方法には、化学療法と薬を使わない代替療法とがあり、この中で注目されているのが免疫反応を上げてがんに挑戦できないかという免疫療法です。

マイタケから摂った高分子多糖体

 カワラタケから採ったクレスチン、シイタケからのレンチナンなどが抗がん剤として認められていますが、マイタケから採った高分子多糖体「MD-フラクション」が、がん細胞を食うマクロファージなどを活性化することがわかっています

 肺がん、乳がん、肝臓がんなどでは、動物実験で増殖抑制率70〜80%の効果のあることが確認できました。マイタケだけではダメで、免疫がかかって、やっと挑戦する権利が得られるのです。化学療法でがん細胞をたたきながら、MD-フラクションを併用する。両方で闘いを挑めば、より強くがんをやっつけられることが、動物実験で分かりました。

 ただ、元々の免疫状態がどれだけあるか、よくドクターと相談し、チャレンジすることが必要です。100人に投与すれば100人に効くわけではありません。がんの種類によっても違います。そういうことを理解して、MD-フラクションを使うと、使わないよりいいのじゃないかということが、動物実験から言えるということです。

臨床例について・・・小牟田 清氏

 がんの治療法には、手術で取る外科、抗がん剤を使う化学療法、放射線治療。それに免疫療法も臨床の場でありますが、実際に患者さんに応用するドクターは少ないのが現状です。

 保健で認められている免疫療法には、ピシバニール、クレスチン、レンチナンなどがあるが、使えば全員に効くというわけではありません。化学療法と併用しなければ認められないのも、使いにくい理由です。

 なぜ代替医療が拒絶されるかというと、科学的な根拠が乏しいからです。実際に、MD-フラクションは基礎データがしっかりしており、臨床応用で使い経過を見ていますが、ナチュラルキラー細胞などが増えて、明らかに反応している患者さんがいます。化学療法が出来なくて、MD-フラクションだけでよくなった例もあります。

 根拠に基いた代替医療があれば、我々も使います。しかし、あくまでも西洋医学との併用で、主治医とのインフォームド・コンセントが十分に取られている治療法を選択すべきです。多くの患者さんに欠けているのは、情報を求めないことです。もちろん我々も、代替医療の教育、実践、普及に力を入れていくつもりですが。

パネルディスカッション

世界の医療の流れ

-----まず代替医療、そして薬について、欧米とのギャップがかなりあります。

 久郷 まず土壌が違います。日本は明治新政府が「西洋医学一辺倒」の方針を取ってしまった。世界の医療の流れは、西洋医学と代替療法の併用に変わってきているのだから、もうぼちぼちそうなるべきです。

-----日本で購入できなくても海外では買える健康食品とか薬がありますね。

 久郷 たくさんあります。インターネットの時代ですから、外国で許可している薬を許可しないわけには行かなくなってきた。閉鎖的にしておいては、国民のための医療なのか、そうでないのか、という目で見られることになりますよ。

注目のMD-フラクション

-----難波先生のMD-フラクションの動物実験のデータを拝見して「すごいな」と驚きました。人間に対してはどうなんですか。

 難波 これは難しい問題です。患者さんが進んで実験材料になってくれることは無いし、仮に言われても「じゃよろしく」とは、なかなか。動物と違って、人の場合、いつがんが発生したのか、現在どうなのか、免疫の活性はどうなのか、わかりにくいですから。

-----動物実験でどのれべるまでいけば?

 難波 研究室レベルで70〜80%の腫瘍抑制率がコンスタントに出て初めて、チャレンジする資格を得た材料と考えるということです。

-----どうして病院ではあまり使わないのですか。

 小牟田 代替療法そのものを根拠のない治療法と認識しているからです。基礎実験して、そのデータを我々に明らかにしてもらって、協力しながら使っていく。そういう姿勢があれば使えます。しかし、これだけ情報があふれている時代ですから、人を相手の臨床試験は実際に難しい。

-----末期の患者さんにMD-フラクションだけを使ったらがん細胞が消えた例を報告されましたが、なぜですか?

 小牟田 わかりません。こういう人が一人でもいると、代替療法がいいと思われる理由になるのかもしれません。西洋医学では、百人に投与して効果が1人なら無効なんですね。

根拠ある代替医療を

-----抗がん剤以外の治療法との併用はどうなんですか。

 小牟田 手術でがん細胞を取った後とか、放射線で小さくした後とか、あるいは同時にとかは可能でしょう。

-----術後の抗がん剤投与に否定的な見解もあります。

 難波 取り除くものは取り除き、残ったものをいかにしてたたくか。その際、移転がない状態なら、MD-フラクションを与えるのもいいでしょうね。

-----MD-フラクション療法をやってくれる病院、やってくれない病院の状況はどうなんですか。

 小牟田 一般的に採り入れにくいのが現状でしょうね。代替医療を勉強している先生も少ないし。これから、根拠のある代替医療はインターネットなどで出てくるでしょうが、遅れていますね。

情報収集して医師に相談

 難波 使いたいという人は、インターネットなどで情報を収集し、ある程度勉強した上で、医師に相談する姿勢が必要ではないでしょうか。

-----健康食品が薬と認定されていないことから、副作用情報が欠けているということもあると思いますが。

 久郷 アメリカではアクセス方が上院を通って、患者が使いたいと申し出たものを、医師は制約なしに使えるようになった。しかし、日本では健康食品を薬にするには時間も金もかかる。健康食品であるが故のメリットもあるので、どちらがいいのか考えどころですね。

-----健康食品はスーパーでも売っていて、買ってきていくらでも食べられます。

 難波 薬もそうですが、健康食品も過ぎたるは及ばざるが如し。取り効果は過ぎても効果はあがりません。マイタケは健常人の場合、1日に粉末なら3g、生なら30gぐらい。免疫を上げたいときには、精製してあるMD-フラクションがいいでしょう。

より良い治療が受けられるように

-----最後に桐生さん、医療に対していろんな思いを持っておられるのでは?

 桐生 母をがんで亡くして7年になります。がん患者や家族は、西洋医学は恐ろしい治療、免疫療法はやさしい治療と思いがちです。患者はお医者さんに何も言えないのが普通です。人間と人間として、互いに情報を出し合いながら、より良い治療を受けられるようになればいいな、と思います。 TOP

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