PS(ホスファチジルセリン)とは
 脳に存在するリン脂質の一種で、成人の脳細胞脂質中のおよそ18%を占めます。脳にとってのエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)の代謝を高め、脳を活発にすると言われています。
 ホスファチジルセリン(Phosphatidylserine、略称: Ptd-L-SerあるいはPS)は、リン脂質の成分であり、通常はフリッパーゼと呼ばれる酵素によって細胞膜の内葉(細胞質側)に留められている。
 細胞にアポトーシスが起こる時、ホスファチジルセリンは細胞膜の細胞質側にもはや制限されず、細胞の表面に露出するようになる。後述される効用のためアメリカでは広くサプリメントとして普及している。

 最近、物忘れがひどい、なかなか人の名前を覚えることが出来ないなどの悩みはありませんか?脳の神経細胞の数は、加齢とともに減っていくと言われています。そのため、脳機能は何も対策をとらなければ、自然に衰えていってしまうのです。PS(ホスファチジルセリン)は、脳機能を改善する効果が報告されています。

 わが国では長寿社会の到来で、介護保健認定者のうち在宅介護者の約10%、在施設では、実に70%が認知症を持っています。(平成13年厚生労働省調査)。
 アメリカでも85歳を過ぎた人の半数は死を迎えるときアルツハイマー病他の深刻な脳機能問題を抱えています(パリス・キッド博士)。
 これまで、痴呆は適切な治療法がなく症状の進行に不安な毎日でしたが、PSに期待ができます。

 脳は数億個もあるといわれる神経細胞(ニューロン)の集まりでできていて、ニューロン間の情報交換により、記憶、認識などの脳機能を維持しています。加齢とともにニューロンは退化・脱落していきますので記憶力の低下などが始まります。40代、50代になると脳の鋭敏さが失われていることに気付くことが多くなります。
 だからといって必ずしもアルツハイマー病になるとは限りませんが、脳機能テスト点数が非常に低い人はアルツハイマー病になるとリスクが高いとされています。医療の診察では、痴呆症患者は、記憶消失を伴い、少なくとも上記の1項が欠落していると定義されています。

 PSの臨床試験は非常に多数の世界の医療研究機関で実施されており、日本でも大阪市立大学、尼崎中央病院老人施設でも結果が報告されています。臨床試験の1つを紹介しましょう。
 1990年に行われた試験は、アメリカの精神保健研究所のトーマ・クルック博士を中心にスタンフォード大学、ヴァンデンビルト医科大学の研究医が試験の計画と実施に参画しています。

 年齢50~70歳の患者149人を二つのグループに分けて一つのグループには毎日PS300㎎を12週間投与し、他のグループにはプラセボ(偽薬)が投与されました。試験期間中、記憶力、認識力テストが行われました。試験の結果、PS投与グループの全員に記憶力改善が認められ、担当医は、PSは年齢時計を約14歳戻すと計算しています。特に著しい改善が認められたのは上記の項目です。

 PSは脳細胞膜に多く存在することから、脳機能に関連すると示唆され、過去様々な研究や臨床試験が行われてきました。

脳内でPSは脳細胞膜のリン脂質中の約18%を占め、特に細胞質内側に存在しています。

 海外ではPSに関する研究が盛んで、歴史も深く文献等は豊富に存在します。サプリメント大国のアメリカにおいてPSは、ブレインフードとして広く知られています。

 PSは情報の伝達に関与していると考えられており、加齢により物忘れが多くなる原因だと言われております。PSを摂取することで、脳を若返らせ記憶力を向上させる効果が様々な実験から証明されています。

 PSは1950年代から、欧米にて多くの臨床研究が実施され、アメリカを中心に市場が形成されてきました。アメリカと韓国では、PS配合製品の強調表示が認可されているなど、海外では、PSはブレインフードとして非常に認知度の高い素材です。

<アメリカ> 栄養表示教育法(NLEA)によって、疾病リスクの低減表示が認可されており、規格基準を満たすと、「PSは高齢者の認知症リスクを低減させる可能性がある」などの表記が可能です。

<備考>
● アルツハイマー型認知症で消失した認識力(記憶力、学習力、集中力)を部分的に蘇生する。
●アルツハイマー型認知症の無表情、無感覚、引きこもり、日常活動を中心とした行動と行為の改善。
●患者のクオリテー・オブ・ライフを改善し、患者と家族と社会へとどめおく。
●初期の症状の患者に最も大きな効果が期待できる。
●認知症の初期の段階で摂取すると認識力劣化を防止する。
●記憶力、認識力の低下で将来に不安を抱いていたり、非活動的で引きこもりがち、うつ症気味の人に、PSの大きな恩恵にあずかることができる。

DEX:
デキサメサゾンという合成糖質コルチコイドのことで、若い人に投与すると、ストレスを調節するヒドロコルチゾンや副腎皮質ホルモンの分泌を24時間以上抑制する。(DEX抑制)
PET:
Positron emission tomography 陽子照射断層撮影・生体内の生理学的・生化学的変化に忠実に表現する。 
作成:NPO法人補完代替医療推進センターCAM H/Y

書籍:薬より効く「サプリメントバイブル」 アール・ミンデル博士 著
世界的有名な薬学・栄養学の博士です。ベストセラー「ビタミン・バイブル」の著者

 事実最近、五十歳代の友人が私に、物忘れがひどくなったと告白しました。電話番号を思い出すのに時間がかかり、人の名前を忘れることもしょっちゅうだし、メモしておかなければ何をするつもりだったのかも忘れてしまうそうです。
 このことは彼にとって悩みの種でしたが、これがごく自然な現象であることを知って彼は安心しました。
 事実、この現象には「老化に伴う記憶障害」という名前さえついているのです。私たちは中年期に差しかかると、老化に伴う精神的変化が起きているのを感じるようになります。
 このような変化のなかで、とくに気になるのが、一時的な記憶力の低下です。何十年も昔の出来事をはっきりと覚えているのに、たったいま紹介された人の名前を忘れてしまうことがあります。
 中年期をすぎて記憶力が低下する理由は、正確にはわかりませんが、脳に存在する化学物質の変化が原因だとする証拠があります。脳にはリン脂質など、大量の脂肪組織が含まれています。
 リン脂質は細胞を結合させるだけでなく、細胞に出入りする物質をコントロールしています。PSはとくに重要なリン脂質の一種で、化学伝令を脳に行き渡らせて、細胞が情報を蓄積し、探し出せるようにします。中年期をすぎると、PSなどの脳内の重要な化学部質が減少し、脳が十分に機能しなくなることが理由のひとつです。
PSサプリメントを摂ることで脳能力を向上できるという証拠があります。

 最近「神経学」誌に発表された研究報告では、正常な老化に伴う記憶障害をもつ五十歳から七十歳までの健康な男女149人を対象に、毎日100グラムのPSと偽薬を12週間にわたって投与しました。PSグループは、電話番号や顔や名前を記憶する力や、文章を記憶する力、間違い探しを解くスピードや集中力などが著しく向上しました。一方、偽薬グループには際だった変化は見られませ んでした。

 この研究を行った研究者によれば、PSサプリメントが被験者の精神能力を平均十二歳も若返らせたことになります。老化に伴う記憶障害がある人はPSを試してみてください。

1.急性毒性試験 (TRACO―FIDIA社)

2.老人における認識力低下:ホスファチジルセリン(PSと表示)投与による効果にいてのプラセボとの比較による二重盲検多施設臨床試験

3.アルツハイマー病におけるPS:多施設中央管理試験

4.加齢起因性記憶力低下におけるPSの効果

5.アルツハイマー病におけるPSの脳グルコース代謝への効果

6.脳代謝障害を伴ったパーキンソン病患者とPS-パイロット試験の結果

7.アルツハイマー性老年痴呆症を伴ったパーキンソン病患者でのPSによる二重盲検試験

8.初老期アルツハイマー型痴呆症への大脳皮質由来のリン脂質投与前後における脊髄液内のドーバミン及びセレトニンの代謝濃度

9.アルツハイマー病におけるPSの効果

10.抑うつ障害のある老齢患者におけるPSの効果

11.健康な男性へのPSの長期投与視床下部-脳下垂体-副腎軸のストレスで誘発された活性上昇の抑制

12.ヒトでの肉体的ストレスによる神経内分泌反応に対するPSの効果

13.老年性脳機能低下のある患者でのPSについての二重盲検比較試験

14.老年性痴呆症患者におけるPSの無作為二重盲検比較試験

15.老齢者における加齢起因性の記憶力低下及び気分に対するPSの効果

16.生活力消失、血管性痴呆症又は軽度うつ性のある老齢患者におけるPSの神経内分泌及び行動上の効果

17.PS:健康な人における壮年ラットでの認識力増強:牛脳皮質PSと卵黄PS及び大豆PSの比較

2013.7.15.作成

◆国内でも既に下記の医療機関で研究・臨床試験を実施しています。

①研究の題目

(目的及び内容)
軽度認知障害、あるいはアルツハイマー型痴呆と診断された患者にホスファチジルセリン含有栄養補助食品(オメガピーエス)を3ヶ月間投与し心理検査における改善の有無をオープン前向試験にて検討する。心理検査は、投与前、6週目及び12週目の3回実施し、その間、アリセプトその他の治療薬が投与されている場合は変更せず、併用投与とする。

②研究の題目

 老年性痴呆又は脳血管性痴呆の可能性を評価する臨床評価基準に適合した7人の患者を対象に試験を実施した。
 患者に大豆由来ホスファチジルセリン(PS100mg、1日3回)を8週間投与し、精神機能及び精神状態・日常生活動作を臨床評価した。投与2~4週間内に、6例中5例(83%)で精神機能に改善が認められた。
 精神機能の改善は、障害の軽度な症例ほど早期に明確に認められた。痴呆な成分であることを示唆している。