アナツバメの巣:燕窩
燕窩(えんか)とはアナツバメという種類のツバメが作る食用の巣です。
日本で高級中華食材として知られている燕窩(えんか)には、さまざまな薬効が伝えられています。
燕窩(えんか)とは
燕窩(えんか)とはアナツバメ(中国名は金絲燕)という種類のツバメの作る食用の巣です。燕窩はアナツバメが、産卵期に発達した唾液腺から分泌される唾液を固めて約1ヶ月かけて作ります。アナツバメの分布はマレー半島、ジャワ、スマトラなど東南アジアのごく限られた地域で、最大の産地はインドネシアです。
燕窩は、中国の漢方書によると、栄養を補給し、熱性疾患や脱水状態を治し、血液・栄養などの循環を適正化し、気力を充実させる等の薬効が伝えられています。その他にも、肺疾患や健胃、去痰、皮膚の若返り、小児・老人・病後回復期の滋養食として利用されてきました。
■アナツバメの習性
アナツバメは1度に2ケの卵を生みます。年に3回卵を生みます。
※アナツバメの雄(オス)のみが巣を作ることが出来ます。
■海燕とは
海燕とはアナツバメのことです。昔は現呼称アナツバメの餌が海草等々も食したと思われておりそこから「海燕」と言われたようです。現在、アナツバメの餌は、昆虫(虫一般等々)が中心です。
■中国では収集できません。(一部、海南島のみ)
アナツバメの生息地は熱帯地区・東南アジアです。生産の中心はインドネシアです。その中でも「メダン」が良質の燕の巣が採集できます。
洞窟に作られるアナツバメの巣「燕窩」
燕窩(えんか)は、海岸岩山の洞窟の中30mから50mとも言われている高さに作られます。現地での巣の採取人は特別な採取人の集団だけに許され、乱獲を防ぐために厳重な監視のもとに行われます。
燕窩(えんか)は年間の採取量も制限されており、貴重な食材として現在でも珍重されています。採取の技術も特殊で、洞窟30m以上の高さもで竹製のはしごがかけられ、そこへ摂取人が素足で登り巣を採るための特殊な道具を用います。
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「ハウスネスト」生産
近年、燕窩の採取は「ハウスネスト」を使用し人工的に生産しています。「ハウスネスト」とは、燕が巣を作るための建物を人間が作りツバメを向かいいれて、そこで燕の巣を作らせ生産するハウス:建物です。通常の建築物として4階建ての大きさです。
※下記写真はインドネシア・メダンの「ハウスネスト」。生産が開始されたのは今から13〜14年前です。
燕窩の評価について
燕窩(えんか)の原料は大きく1級品と2級品に分けられます。1級品は外見上白く羽や異物の混入はほとんどありません。2級品はこれらの異物が多く、色も黒褐色をしており、これを取り除くために大量の水で洗ったり、漂白しなければなりません。しかも、1級品と2級品は見かけの差だけでなく、その生理機能にも大きな差があると報告されています。
●燕窩の原料は一級から順に、A、B、C、D、Eと分かれています。
●形が整っている。
●色が白くてきれい等々。
※日本(先進国)では、「シアル酸」の含有量 が評価されます。
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シアル酸について
■シアル酸
燕窩には、人の免疫機能と深く関わるシアル酸が豊富に含まれています。 シアル酸は母乳や脳神経細胞、生殖器官など基本的生命維持に関わりの深いところに多く存在し、免疫力の向上、内臓諸機関の機能強化、自然治癒力の向上などに関わっていると考えられています。
シアル酸は、日常の食生活では摂取が非常に難しく、現在存在する食材の中で摂取が可能なのは、燕窩やローヤルゼリーなどごく一部のものに限られています。 燕窩には、ローヤルゼリーの約200倍ものシアル酸が含まれています。
■燕の巣のシアル酸含有量分析結果
試料にはN-アセチルノイラミン酸(NeuAc)が含まれ、N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)は含まれていなかった、試料にNeuGc標準品を添加し前後で比較を行い、試料にNeuGcが含まれないことを確認した、試料中のシアル酸含有量は123.4μg、すなわち12.3%であった。
■ツバメの巣「燕窩」のシアル酸分析結果表
シアル酸 | ピーク面積 | 実測濃度(ng) | 試料中の濃度(μg/mg) |
---|---|---|---|
NeuGc | 0 | n.d | n.d |
NeuAc | 6995546 | 578.9 | 123.42 |
Total | 123.42 |
資料提供 分析センター:鞄激激潟Tーチセンター(サワ・インターナショナル梶j
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