ペット用・糖鎖食品の研究・企画開発
近年ペットの病気・難病が問題になっています。
NPO補完代替医療推進センターCAMではペット向けの糖鎖食品の研究・企画開発を行います。
作成日時:2011年05月28日
近年ペットの病気・難病が問題になっています。「可愛いペットは家族の一員以上・・・」 と言われています。すでに医療機関向けで使用しています「糖鎖栄養素含有食品(糖鎖食品)」を犬・猫の疾病に利用していただきたく企画・開発に着手し、宮城県登米市で開院されています菅原旭浩先生(菅原犬猫病院・附属獣医放射線研究センター・北里大学獣医科卒)にて試験を依頼し、すでに500例の実践記録ができ、よい治癒例も多々出てまいりました。
今、わが国の飼い主が抱えている悩みは、ペットの寿命があまりにも短いということです。過去三年間の調査によれば、13歳以上の老犬は交雑種で約25%であったのに対し、純雑種ではその半分にも満たない11%程度でした。 また、動物MEリサーチセンター所長の内野富弥氏によれば、高齢な柴犬などの日本犬に認知障害が発生し、近年その数が増加しているということです。認知障害犬は前にしか進めず、90度のコーナーも避けることができなくなります。又、夜に無駄吠えをするなど、飼い主との共同生活に支障をきたします。
飼い主の誰もが、安らかな終末を愛犬と過ごすことを希望していますが、日本の飼い主と獣医師の多くは安楽死を避けようとしています。しかし愛犬の生活の質を守るために、安楽死を決断するのには飼い主以外におりません。 また、飼い主の置かれている状況からある距離を保ち、科学的な知識を持ち、飼い主と同じ気持ちで飼い主が安楽死を決断できるよう、手助けできる人は獣医師以外におりません。
ペットを飼った瞬間から、いつかは別れるときが来ることを飼い主は自覚しています。しかし現在、飼い主に「ペットロス」が増えています。ペットが亡くなった後、社会生活がなかなか順調に進まなくなることも多いのです。ペットロスを克服する一つの方法として、私は厳粛な儀式を執り行うことで、気持ちの整理ができるのではないかと思っています。
最後に、スコットランドの詩人、ウォルター・スコット(1771〜1832)の言葉をご紹介して、私の話を終わりたいと思います。彼はスコットランド銀行発行の紙幣に彼の肖像が使用されるほど、高名な詩人であり小説家です。「イヌの寿命が短い究極の原因を考えてみたことがある。それはきっと人間への同情からに違いない。なぜなら、知り合って10年か12年でイヌを失うことにあれほど苦しむなら、イヌがその2倍も生きたとしたら、人の悲しみは計り知れないからだ」。
素敵な言葉ですね。私はイヌが逆らってまでも2倍生きて欲しいと願っていましたが、この言葉を噛みしめながら、人と動物の共存の形を考えていきたいと思っております。人と動物の共存を目指すことは、非常に大変でありますが、その一つ一つに知恵を絞っていく以外に、方法は見つからないと思います。
■治験方法
使用薬剤 | 免研・糖質栄養素含有食品(粉末) |
---|---|
投与量 | 30〜60mg/kg |
投与方法 | 経口投与 |
投与期間 | 1か月〜4か月 |
症例数 | 32例(@犬26例 A猫6例) |
疾患名 | @椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊髄軟化症 アレルギー性皮膚炎、脳腫瘍、水頭症、顔面神経麻痺、認知症 A内耳炎、アレルギー性皮膚炎、口内炎 |
■結果
疾患名 | 例数 | 効果 | 改善内容 |
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◇@椎間板ヘルニア | 17例 | 有り |
手術後 著効(麻痺の改善の期間短縮) 内科療法単独 効果有〜著効(麻痺の改善) |
◇変形性脊椎症 | 1例 | 有 | 麻痺の改善 |
◇水頭症 | 2例 | 有 | 歩行可能 |
◇認知症 | 1例 | 有 | |
◇脳腫瘍 | 1例 | 有 | 歩行がスムーズ |
◇顔面神経麻痺 | 1例 | 有 | 眼瞼反射の改善 |
◇A内耳炎 | 1例 | 有 | 斜頚の改善 |
◇口内炎 | 3例 | 有 | 併用薬の減量 |
結論:犬猫ともに神経性疾患に対して効果が認められた。ペットへの使用目的は、神経性疾患限定であると思われた。今後は、長期投与(1年以上)による効果および副作用、他の病気に対する効果についても治験が必要であると考えられた。 ※脊髄軟化症、アレルギー性皮膚炎、その他の症例については現在、臨床試験中です。 嗜好性:@問題なし A2例において投与後によだれ |
1.はじめに
菅原犬猫病院の院長先生、菅原旭浩先生の実験「犬猫に対する糖鎖の効果について」の実験結果を読み考察したい。
2.考察
特に神経性疾患に効果が見受けられるという実験結果であるが、筆者は第一製薬在職中同じグループ内に動物薬の研究・開発者(獣医および畜産出身者)が多く在籍しており、彼らは常に「ヒトの場合医薬品はプラセボでも有効な場合があるのに対して、動物ではプラセボは全く無効で、動物に有効な医薬品こそ本当に効果があるのだ」と言っていたのを思い出した。
また、ネコは神経系が人に似ており、神経系の医薬品を開発する場合、ネコでの効果をまず調べることが必須であるとも言っていた。今回の実験データはこのような事から糖鎖栄養食品の今後の展開すなわち動物用はもとより人への適用を考えるにあたり実に価値あるものいえよう。
3.今後の研究について
さらに菅原先生の病院での動物実験の継続と有効例の積み重ねが必要である。 インビトロ的には切断された神経が糖鎖栄養食品の添加によって繋がるや否やか検討するという神戸大学水野雅史教授のアイデアを実行する。
作成日時2012年08月30日
糖鎖食品を使用した使用例です。3年に亘りペットに使用試験を行なってまいりました。ついに学会発表する予定です。その要旨です。
■糖鎖食品を加えた治療法による治癒率
治療方法 | 治癒率 |
---|---|
従来の内科療法 | 5%未満 |
外科療法 | 30〜40% |
糖鎖食品+内科療法 | 40〜50% |
脂肪幹細胞による神経再生医療 | 50〜60% |
糖鎖食品+再生医療 | 70〜80% |
グレード4以下の椎間板ヘルニアに対して、糖鎖食品を加えた内科療法 | 90〜100% |
■糖鎖食品使用の感想
クレード4以上の犬・椎間板ヘルニアに対して、今までは手術で対応して いました。現在グレード4までは、糖鎖食品を加えた内科療法にて対応、手術以上の治癒率が認められています。(1週間に3匹くらいの手術が、3〜 4ケ月1頭まで減少)。さらに、グレード5においては、脂肪幹細胞を使用した再生医療と糖鎖食品を併用することにより再生医療単独時よりも治癒率の向上が認められた。
■椎間板ヘルニアについて
脊髄は脳からの指令を伝えるために脊椎(背骨)のなかの空間(脊柱管)を通っています。犬の脊椎(背骨)は頸椎が7本、胸椎が13本、腰椎が7本の合計27本からできています。これらそれぞれの脊椎の間には椎間板があります。椎間板はその中心部に髄核というゼリー状の構造があり、その周囲を線維輪に取り囲まれています。椎間板は、ゼリー状の髄核により脊椎にかかる衝撃を吸収する働きを持っています。この椎間板が飛び出し脊髄を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。
■胸腰椎椎間板ヘルニアの重傷度
椎間板ヘルニアはその重症度によって5つのグレードに分けられます。 特にグレードの4?5の差は、予後の差に非常に大切で、グレード4とグレード5では治療後の改善率が大きく異なります。とくにハンセン1型を起こしやすいダックスなどの犬種は、昨日までグレード1だったのに、いきなりグレード5に移行することもあるため、内科療法選択した場合、治療ををおこなっている間にグレードの進行が起こっていないかの注意することはとても必要です。
グレード | 症状 |
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グレード1 | 脊椎痛。麻痺はないが、脊椎(背骨)に痛みを感じ、動物は運動を嫌い、いつもは上り下りできる段差を上り下りできなくなったり、飼い主さんが抱きかかえたときに痛みを訴えて鳴くことがあります。 |
グレード2 | 麻痺、運動失調。動物は歩行可能だが、後ろ足の力が弱くなり、ふらふら歩いたり、足先をすりながらあるいたりします。 |
グレード3 | 麻痺。後ろ足を自分で動かすことができなくなり、引きずって前足だけで歩くようになります。 |
グレード4 | 排尿麻痺。自分の意志で排尿ができなくなります。膀胱はいつも尿がたまった状態で、ぽたぽたと垂れ流しのようになります。 |
グレード5 | 深部痛覚の消失。一番最後になくなる深部痛買うまでなくなった状態です。後ろ足を鉗子などで強くはさんでも痛みを感じません。 |
■菅原旭浩先生:プロフィール
◆1961年8月 宮城県生まれ◆1987年3月 北里大学獣医畜産学部獣医学科修士課程卒業◆1989年2月 菅原犬猫病院開業◆2012年3月 東北大学大学院医学系研究科医科学専攻博士課程卒業
■菅原犬猫病院■
MRI、CT、放射線治療など最先端医療機器によるペット診療。一般外来、ope、入院、トリミングまでを行う宮城県登米市の動物病院です。
TEL 0220-22-9308