代替医療と健康補助食品
健康補助食品の利用
薬や手術に頼らない療法(代替医療)として健康補助食品の機能が注目される気になる二ユースがあります。1993年、WHO(世界保健機構)が結核に関する「世界非常事態宣言」をしました。世界人口の3分の1をこえる人々が、結核菌に感染しているということです。かって結核といえば、現在の癌(ガン)のように死の病とされてきましたが、効き目の良い抗生物質が開発されてからは、ほぼ撲滅されたと思われていました。ところが治る病気が治らないという状況が近年、再び生まれ、この非常事態宣言となったのです。これは抗生物質が効かない耐性菌がはびこるようになったからです。
こうした現象は、薬剤に頼りきってきた現代医学へ大きな警鐘として受け取らなければなりません。いくら優れた薬が開発されても、菌が抵抗カを付けて強い菌として生まれ変わるのです。このイタチゴッコが現代医療の技術を引き上げたのでしょうが、「薬剤のみに頼らない」「免疫力を引き上げる」など、人間が本来持つ能カの回復・維持力にもっと真剣に取り組んでも良いのではないでしょうか。健康補助食品を用いることは、その手段のひとつです。利用される素材も作用も様々で、伝統的なものから、最近の研究で作用がわかった新素材などまでバラエティに富んでいます。
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マイタケに強力な抗腫瘍作用−−【代替医療と健康補助食品1】
神戸薬科大学の難波宏彰教授が、マイタケのβ-グルカンに強力な抗腫瘍作用があることを発見し、かつ、臨床的にもある程度の効果のあることが証明され話題になっています。抗癌(ガン)剤の副作用緩和をはじめ、免疫カの向上、癌(ガン)細胞の発生・増殖の抑制が主な働きです。マイタケの子実体を加熱処理し、抽出したMD-フラクション成分に強い抗腫瘍性が見られたので、1986年の日本薬学会に発表されました。
難波教授は、「代替療法が受け入れられ、社会的に成熟したアメリカやイギリスでは、外科療法、化学療法、放射線療法のいずれかを用いてもガンの克服が困難な現状に対して、免疫療法がスポットを浴びています。一般に抗癌(がん)剤投与という化学療法では、食欲不振、吐き気、脱毛、白血球の減少などの副作用を免れることはできません。マイタケを併用した場合、このような副作用も軽減され、痛みも緩和されることが、臨床的にもすでに効果があることが認められています。」と、代替療法の必要性を指摘しています。
免疫力を高める健康補助食品−−【代替医療と健康補助食品2】
健康補助食品には、免疫力を高めるなど4つの作用があります。
イギリスやアメリカでは、オルタナティブサプリメント(代替補助食品)という概念が確立されています。最近の報道でも、アメリカでは癌(ガン)を患った人の50%が代替療法に積極的だともつたえられています。わが国でも近年、様々な健康補助食品が登場していますが、その作用・特徴について、―般の人には、十分、正確な情報を得られない傾向もあります。機能別にみると、その作用は四つに大別されます。
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第―グループ−免疫力を高める
人体は、60兆を超える細胞で、でてきており、毎日、体のどこかで活発に細胞分裂が行われています。その細胞の中には何らかの原因で遺伝子に傷がつき、突然変異を起こしてガン細胞に変わってしまうものもあります。しかし、免疫細胞が正常に働いていれば、ごく初期の段階で癌(ガン)細胞を排除することもできます。このグループに入る機能性食品は、免疫細胞の働きを増強するものです。AHCC、アガリスク、マイタケ(D−フラクション)、核酸、キチン・キトサン、タヒボ茶、プロポリス、霊芝、スピルリナ、冬虫夏草、波動共鳴水などがこれに当たります。
第二グループ−活性酸素を抑制し毛細血管の血流をよくする
活性酸素とは、私たちが呼吸する大気中の酸素よりも活性化された酸素とその関連分子の総称です。活性酸素は、白血球が細菌を殺す場合、それを助けて働きます。しかし、過大な疲労やストレスなどで、活性酸素が体内で増加・残留しますと、その強力な酸化能力によって組織細胞に障害を誘発する作用もあります。癌(ガン)、動脈硬化、心筋梗塞、肺気腫、脳梗塞、胃潰瘍、糖尿病、アトピー性皮膚炎、関節リウマチなどの様々な病気に活性酸素が影響していると考えられています。活性酸素は人体にとって両刃の剣なのです。
その活性酸素の働きを抑える(そのカギを握るのがSOD酵素:スーパー・オキサイド・ディスムターゼです。)作用をもった機能性食品のグループは、大豆発酵抽出エキス、米胚芽、霊芝エキス、ルイボスティー、サンザシエキスなどです。
第三のグループ−腫瘍血管の増殖を抑制する
癌(ガン)は1〜2ミリくらいに成長すると、新生血管造成因子という物質を放出してガンを養うための腫瘍血管をつくります。その腫瘍血管から栄養を吸収し大きく増殖します。ガンが血管を作ろうとする働きを阻害し、癌(ガン)の増殖を抑制する機能をもつ食品がこのグループで、サメ軟骨などがあります。
第四グループ−腸内善玉菌を活性化させ,吸収を高める
癌(ガン)患者、とくに消化器癌(ガン)の患者さんは、栄養の吸収率が悪く、病気の回復力が思うように進まなかったり、抵抗力がつかない、活力が湧かないといったことがあります。栄養素は口から取り入れるだけではなく、吸収されてこそ、エネルギーになり、自然治癒力の向上をもたらします。その栄養素の吸収を高める機能性食品として、アロエ、花粉食品、ケフィア、乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖、酵素、などが注目されています。
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代替療法で活躍する抗ガン食品とは−−【代替医療と健康補助食品3】
医師が使用実践している「代替療法で活躍する抗ガン食品とは
- ◆AHCC
- キノコ類(担子菌)から抽出された抗がん食品。
- ◆MD―フラクション
- 強力な抗腫瘍作用をもつマイタケ・エキス
- ◆核酸
- 遺伝子をガンから守る高分子核酸
- ◆カテキン
- 胃ガン予防にきわめて有効
- ◆キチン・キトサン、サメ軟骨
- ガン細胞の新生細胞を阻害し、痛みを緩和
- ◆キヤべツ発酵エキス
- キヤべツを乳酸菌で発酵させたガン予防食品 複合健康食品
- ◆シイタケ菌糸体エキス
- シイタケの根
- ◆メシマコブ
- 韓国ではすでにガン治療薬として活躍
- ◆フコイダン
- ガン細胞を自殺に追い込む梅草由来食品
- ◆プロポリス
- 天然の抗生物質と呼ばれている
このように健康補助食品にも多様な種類がありますから、個々の健康状態や受けている治療内容を考え合わせて選ぶようにしたいものです。できれば専門的な医師の意見も参考にし、また専門の機関と相談して最適なものを用いるようにしましょう。
健康管理完全ガイド ライフウエル編著 泰光堂 より一部抜粋