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NPO法人・補完代替医療推進センター

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メタボリックシンドローム

内臓脂肪症候群

◆内臓脂肪と皮下脂肪

肥満は体脂肪の割合で決まります。この体脂肪のことを良く知らなければ、正しいダイエットはできません。体脂肪には二種類あります。おなかの周りに付く「内臓脂肪」と、皮膚のすぐ下につく「皮下脂肪」です。

栄養素は腸管から吸収され、グリコースと遊離脂肪酸となって血中に入ります。これらはインスリンの働きによって、脂肪細胞の中の中性脂肪として蓄えられます。おなかがすくと、蓄えられた中性脂肪は遊離脂肪酸とグリセオールに分解され、エネルギー源として血中に放出されます。こうした日々のエネルギーの調達をしているのは、内臓脂肪です。

■内臓脂肪、皮下脂肪の役割
内臓脂肪 内臓脂肪はエネルギーを一時的に蓄え、必要なときにすぐに取り出して使える脂肪
皮下脂肪 皮下脂肪は長期にエネルギーを溜め込む脂肪で、飢餓や寒さに備えたり、ぶっかったときに衝撃を和らげる働きがあります。

肥満で問題になるのは内臓脂肪です。内臓脂肪型肥満は腹腔の腸管膜に脂肪がつく肥満で、おなかの周りが太ります。糖や脂質の代謝異常を合併しやすいことが分かっています。肥満を解消しなければならないのも、内臓脂肪型肥満が生活習慣病(成人病)と深く関わっているからです。ダイエットの目的は、単に痩せることだけではありません。内臓脂肪を太らせないことこそ、生活習慣病の予防につながります。

◆メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)

中高年がかかりやすい「高血圧症」「高脂血症」「糖尿病」といった生活習慣病が重なると動脈硬化を促進し、さらに致命的な「脳梗塞」「心筋梗塞」などを起こしやすいことが分かっています。最近ではこれらの病気を起こす原因として、糖代謝や脂質代謝などさまざまな代謝異常があることが分かってきました。このため、こうしたリスクが重なって存在する病態を「メタボリックシンドローム」と呼んでいます。

昨年あたりからウエストサイズが話題になりました。「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の判定基準の第一条件がウエストサイズであるからです(男性85cm以上、女性90cm以上)。このメタボリックシンドローム状況にある日本人は、40歳を過ぎると急激に増え、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、その予備軍だというデータも出ています。原因の多くは高脂肪、野菜等が少ない偏った栄養による不規則な食生活に加え、日頃からの運動不足などが指摘されています。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は2005年の日本内科学会総会で診断基準が発表されて以来、テレビや新聞で大きく取り上げられたこともあり、メタボリックを気にしている方が増えているようです。