マイタケ(舞茸)の研究2
マイタケ(舞茸)効果、多くの臨床例で抗がん作用を確認
がん治療の現場で使用
難波教授は、がんの種類別にD-フラクション有効率を比較している。下図のとおり、乳ガン(Breast Cancer)の中では、50mgのD-フラクションと6mgのグリフロン錠を服用したグループは、15人中11人に治療効果がみられ(すなわち73%の成功率)、また、D-フラクション、グリフロン錠に化学療法を加えたグループでは、15人中13人に治療効果がみられた。つまり成功率86%。また、最下段の骨肉腫については、D-フラクションとグリフロン錠の組み合わせだけでは、5
人すべて治療効果が得られなかった。難波教授によると、D-フラクションは細胞性免疫担当細胞であるマクロファージやT細胞を復活させ、それががん細胞の増殖や転移の抑制に直接寄与しているという。同じ免疫賦活作用をもち、すでに抗ガン剤としても厚生省の認可を受けているレンチナンは、同じキノコの仲間であるシイタケから抽出されたものだが、同様の動物実験ではレンチナン単独では転移抑制効果はなく、抗ガン剤との併用によってのみ一定の効果が期待できるという報告が過去あることから、D-フラクションの方が、より効果的と考えられる。
※上のグラフは(上から順に)、乳ガン、肺ガン、肝臓ガン、前立腺ガン、脳腫瘍、白血病、胃ガン、骨肉腫
実際にアメリカでは治療の一環としてだけでなく、緩和ケアとしてもD-フラクションが使われ始めている。また、抗ガン剤の副作用が問題になることが多いが、その点、D-フラクションなら安心。
化学療法にともなう副作用も緩和してくれる。左図は、中心点が副作用の最悪の状態を示し、外に広がるほど緩和されていることを示す。これらの研究の結果、がん治療の基礎研究では世界最高峰と言われるNCI(アメリカ国立がん研究所)によって確認され、1992年にNCIのゴードン・クラーク博士がD-フラクションの有効性を発表した。その後、D-フラクションは基礎研究者ばかりでなく、臨床医の間でも高く評価され、全米に七つの病院をもつアメリカがん治療センターをはじめとする、がん治療の現場でも使用されている。
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良いものは医師も積極的に採用
D-フラクションやグリフロンが、アメリカで信頼を勝ち得たのはなぜか。むしろマイタケの薬効を示す文献は数多くあるので、医学、化学の知識のある人からの反響はよかったが、逆に一般消費者や小売店の方が、キノコ類に対する固定観念が強く、菌類であるために毛嫌いされ、栄養も低いとみられて、医師の市場に比べ、反響は弱かったという。 そこで、医師を中心に、まず使ってもらい、その効果を体験してもらうことで、高い信頼を得てきたわけである。誌面の関係でごく一部だが、寄せられた声を紹介しておく。
「マイタケの抗がん作用については、すでにしっかりとした基礎研究があるので、私どものセンターでは、臨床のデータ収集に注力しています。当センターでは通常の化学薬品や放射線治療と、マイタケのように副作用のない代替療法を併用して、相乗効果を期待するとともに両方のメリットを最大限生かしています。またFDA(アメリカの厚生省に相当する)の承認を得て、大規模の臨床実験を行う計画をすすめています。マイタケを併用して気づいたことは、化学療法の最大のデメリットである副作用が軽減されているという点です。データとして残っていないのが残念ですが、吐き気、食欲不振、不眠、痛み、脱毛、下痢等々、患者の苦痛が明らかに緩和されています。これは患者の生命の質(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるという観点から大変重要なことです。」(マイケル・ウイリアムス博士/イリノイ州ザイオン市・アメリカがん治療センター医院長)
引用文献 「癒す心、治る力・実践編」アンドルー・ワイル著 上野圭一訳 角川書店
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キノコ抽出物の注射投与による抗腫瘍効果比較
キノコ抽出物 | 服用量(体重1kg当たり) | 抗腫瘍効果(%) |
---|---|---|
対照群 | 0 | 0 |
マイタケ(D-フラクション) | 0.5mg(1.0mg) | 86.0(86.6) |
シイタケ(レンチナン) | 1.0mg | 54.4 |
カワラタケ(P.S.K) | 300.0mg | −7.1 |
レイシ | 1.0mg(50.0mg) | 5.2(46.8) |
ヒメマツタケ(アガリスク) | 1.0mg | 38.1 |
■神戸薬科大学難波教授資料
■ユナイテッド・テレビジョン・ブロードキャスティング(ロサンジェルス)特別番組にて放映 (95年9月)